実験系、社会学系のかかわらず、研究をやるには数理統計の技術が必要だが、統計学の講義というのは、まわりくどくて退屈で、学生時代には適当にさぼって、何とか単位が取れるだけで十分だと思っていた。研究者になると(特に農学分野の研究者になると)、実験室の実験だけでなく、圃場実験、フィールド実験、社会実験等々、実験はついて回る。自分で実験計画や調査計画を作って、必要な資料を集め、それらを分析する。計画を立てたり、試料を集めたりするときにも、どんなデータを取って、どんな分析をするか考えておかないと、分析の段階になって、必要なデータが取れていなかったり、不必要なデータばかり集めてしまったりして、極めて効率が悪くて、自分の不勉強を後悔することになる。たいていの場合、そうなって初めてまじめに統計学を勉強する。誰かに教えてもらうとか、自分なりにやってみて失敗して学ぶとか、本を買って自習するとか、勉強の仕方は様々なのだが、私は失敗して学ぶタイプだ。それでも、案外、自然にいろいろな知識や技術が身につく。聞きかじりの知識を集めて、何とかするというのは私の得意技だ。どうしてなんとかできるのかわからないのだが、多分それは、どうしても、その問題を解決しなくてはならないからなのだと思う。そういう臨場感もなく、退屈な数式をいじっていても、何も見につかないというタイプの人は、私だけではないだろう。そういう人のために、私が知識を身に着けた時のことを、私小説的に書いたら、その雰囲気を共有して、理解が深まるという人がいるかもしれない。そういう人のために、このページを作った。内容は、薄っぺらで、くだらない。真面目に考えるのが嫌だとか、なんとなくやる気にならないというときに、読んでもらったら、良いことがあるかもしれない。